2011年07月01日

2011年6月「精一杯の選択」

統合失調症の息子さんと暮らす母親から電話があった。半年前に薬を飲まなくなり、徐々に症状が悪化している。最近は外出先や近隣とのトラブルで警察沙汰にもなっているようだ。
自宅は当社から100kmも離れていたが、母親が高齢であることは電話越しにも察知できた・・・『放置するわけにはいかない!』
即日、打合せのため自宅に向かった。息子さんの症状、性格、趣味、日常の行動パターン、そして家の構造、間取りなどを把握するためだ。病院の手配は既に母親が済ませていたので、後はいかに安全にやわらかく説得移送できるかだ。

翌日、部屋を訪ねてみると、やはり接触を拒み騒ぎだした。 『予想通りだ』
何とか会話に持ち込んだが、落ち着きがなく興奮気味だ。
根気よく傾聴と説得を続けるなか、5分、10分と時間が過ぎていく・・・。
開始から20分、ようやく自ら歩いて玄関へと向かうが、落ち着きのなさが気にかかる。
「自傷行為・障害物の除去・母親の安全確保」、危険的要素のチェックは終始継続だ。
・・・そして乗車直前、逃避しようと抵抗をはじめた!  『やはり』
私は即座に強めの「ハグ」で離さなかった。安心してほしい、ただその一心だった。
最後は、騒ぎ疲れたのか、文句を言いながらも自分で乗車してくれた。

車内では、穏やかな雰囲気をつくることを心がけた。
隊員との会話も弾み、無事受診に導くことができた。
息子さんは必ず回復し、元の生活をとり戻すと私は思う。医療は日進月歩である。
posted by R.Nishitani at 00:38| Comment(0) | 日記

2011年5月「犯人は意外な人物」

ネット上で嫌がらせをうけている某飲食店の経営者。書き込みにより、職場での人間関係にも疎外感があり、対外的、精神的にも悪循環を招いていた。
まずは嫌がらせのフォローと情報収集だ。

調査2日目、社長の交友関係からある男が浮上した。
「まさか・・・」と社長は呟いたが、その男が投稿者であることはほぼ間違いない。
相手の居場所を突き止めるのに時間はかからなかった。早速、証拠を整理し、都内の自宅に乗り込むことに。在宅なら一気に解決できるかもしれない・・・。
閑静な住宅街に佇む一軒家。明かりは点され、表札も一致した・・・『チャンスだ!』
白を切られるか? 逆襲か? 風向きは微妙だったが、どんな展開になろうとも受けてたつ構えだ。

張り詰めた空気のなか、思い切ってインタホンを鳴らした。
「居た!」意外にも素直に扉を開けて出てきた。
直截簡明な言葉が不意のボディーブローとして効いたか・・・明らかに動揺している。
しかし、言葉詰めにするつもりはない。相手の逃げ道を用意しながら詰めるのが鉄則だ。
交渉の末、事実を認め謝罪があった。内容に沿い、今後の対応に関する誓約書を交わすことも出来た。   『もちろん任意で!』

社長が築いた「親友関係」に溝ができてしまったが、何よりも皆無事であったことに感謝したい。
業務を終え、ネオン煌く東京湾、車窓から吹き込む潮風が明日への高揚感を持たせてくれる・・・。
posted by R.Nishitani at 00:34| Comment(0) | 日記

2010年9月 「家族の一大決心」

千葉県某所の集合住宅。アルコール依存症の夫によるDV行為に家族が追い詰められていた。
「疲れた、恐い、逃げたい・・・」結婚生活35年、安心して眠れた日は殆どなかったという。
経済的にも切迫しているようだ。  『何とかせねば!』

転居先と引越屋の手配はついたが、夫の前で家財(トラック1台分!)を運び出さなければならない。ポイントは3つ、危害阻止、情報漏洩対策、追跡阻止だ。
引越屋には、車両、段ボール、作業着など全て無名にするよう依頼した。
転居先は引越作業員に伝えず、積荷後は一旦指定場所に立ち寄ってもらうことにした。
家族にも固く口止めをお願いした。

実行日。
夫には悪いがバイクは動かせない状態にさせてもらった。(緊急避難として!)
後は夫の動きにあわせて家族の壁になることだ。『気合が入る!』
荷造りから離脱まで約8時間。暴言、威圧、騒乱状態になる場面もあったが、少し離れた駅に家族を送り届けて無事任務を終了した。
別れ際、疲労感と安堵感が交差する母娘の笑顔に初めて触れた。思わず熱くなってしまった。
ご家族の新たな人生のスタートだ。   『いつまでもお元気で!』
posted by R.Nishitani at 00:12| Comment(0) | 日記